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    ノルチルおんすてーじ

    • 2016.02.04 Thursday
    • 00:01
    〜クリスマス2015〜
    ルチルと、ご一緒していた悪友氏との裏事情。発注文を元にしています。




     ここはガレージ、冬の初めに完成したばかりの和室の一角。
    「料亭、料亭―♪」
     尻尾ふりふり、スキップるんるん?
     黒柴犬の尻尾が揺れている。そんな悪友に銀色尻尾が声をかける。
    「ご機嫌だな―ルチル!」
     何やってんだ、と手荷物を探す。別にルチルは特別な何かを持っているわけではなかった。だからノルは首を傾げる。
    (料亭って、そんなに女の子の好きな場所だっけ?)
     もしかしたら、緋音を喜ばせるきっかけが見つかるかもしれないし。そんな下心が少し。
    「あっノルさん!」
     ルチルの足は止まらない。畳空間よりも奥へとどんどん進んでいく。
    「大きいキッチンがあるって凄いじゃないですか!おうちじゃ作れないものが作り放題です!」
    「広いってそんなに違うんだ?」
    「そりゃそうですよ!ピザ窯だって、目から鱗ですからね!」
    「あー、あれは確かになー」
    「織、ピザすっごい好きですからね!」
    「そっか―織の為か!」
    「…はっ!」
    「そーだよなーうんうん、織の為ならしょーがないよなー」
    「ま…まあそれはともかく」
    「うんうん、しょーがないなー?」
    「とーにーかーくー!」
     しゅばっ!
    「わーごめん、緑針は勘弁!?」
    「わかればいいんです、今日はキッチン…いえ、厨房の確認に来ただけですしね!」
     じっくり見られて満足ですー、とやっぱり尻尾が揺れている。
    (参考にはならなかったけど、まあいっか…あ、そうだ)
     少し前から考えていた計画。目の前の悪友なら同意してくれそうだな、と思い出す。
     ルチルは気付かず、厨房設備をそわそわ見て回っている。
     最近、同じ写真館でいつもと違う写真を撮ったり、何だかんだと気の合う友人、いっそ悪友。
     勿論緋音が一番大事だけど!!!
    (そこはルチルも同じだろうし)
     ルチルが織を一番大事にしているのは、周知の事実でもあるし。
    (言ってみてダメならそれまでだしなー)
     その時は一人でやればいいかな。くらいの気軽さでノルはこっそり秘密の話を持ち出した。 
    「なールチルー」
    「なんですかノルさん?」
     あっここに大鍋とかさすがですー!鰹節削りとかすごい!…尻尾ぶんぶん。
    「和バンドとかやってみたくない?クリスマスの余興!」
     前置きも何もない。ド直球で言った!
    「はい?和バンド…?」
    「ほら、俺らこの前和装の写真とっただろ!あの衣装でさ!」
     ギターとかベースとか弾いて、ステージで歌ったら、格好良くない!?
    「写真だけがイケメンとか、クールとか、見返してやりたくない!?」
    「く、クール!?」
     ルチルの尻尾、ぴーん!それを見てノルの触覚もなんとなく跳ねる。後は見えない部分の機械部分が光ったり…しているかもしれない、見えないけれど。
     ともかくルチル、釣れました。
    「格好良く決まったら、クールって認めてもらえるはず!」
    「いいですね!」
     即答!はい確定!
    「でも私、楽器はあまり…?」
    「練習すればなんとかなるって!」
     そういう俺もこれから練習するし!そんな適当でいいのか。
    「二人で練習すれば間に合う間に合う!」
    「そうですね!でも練習場所…?」
     ふたりでうーんと、首を傾げる。
    「なんとかなりますね!」
     なぜなら二人はケルベロスだから。大体のことは何とかなるのである!


     和バンドといっても色々である。和装だとか、和楽器だとか、和楽だとか。
     どこかしら「和」が入っていればいいよね!と考えた二人、衣装に「和」があるから後はどうにでもなるだろうと安直な考えだ。
     依頼に行く前の相談でヘリポートに行ってくるねと家を抜けだしたり、買い出しに行ってくるついでだったり。
     それまでにも、恋人とは別行動をとることはあったけれど、そんな恋人達にも秘密の練習というのは、時間の確保が難しい。
     ちょっぴり後ろめたさもあるような、ないような。
    (緋音に格好いいところ見せるためだから!) 
    (織にクールなところを見せるためですし!)
     お互いただの友人なのである。遊ぶときは思いっきり弾ける、というくらい仲がいいのはお互い認めているけれど。
     楽器の練習とか、楽譜を見るとか、歌詞を書くとか。
     物理的な距離が近づく頻度は高いのだが、全く、男女間の甘いものは見えない。
     時々雑談で惚気合戦をしながら笑顔を交わすのである。
     余所見?何それ美味しいの?
     後ろめたさ、なんて言葉、二人の辞書にはどこにもなかった。
    「ノルさんノルさん、ここの歌詞どうしますー?」
    「んーそーだなー…あ!」
    「はい?」
    「ルチルが織に告白した時の台詞とか入れよう!」
    「わふー!?何言ってるんですかノルさん!?」
    「なんだよーだってそういう曲じゃん?」
    「…わかりました、似た感じのを書きますから同じ台詞は勘弁してください!」
    「へへー、公開告白!いいねーひゅーひゅー!」
    「Aサビは私が責任持つので、Bサビはノルさんが書くんですからね!」
    「えー」
    「当たり前です、緋音さんに告白した時の台詞入れましょうね!一蓮托生です!」
    「やんなきゃダメ―?」
    「ふふ、公開惚気とかよくやってるノルさんなら簡単ですよ?」
    「それ言う!?今言うとこなの!?」
    「勿論ですよ!」
     ミュージックファイターだったらもう少し簡単だったのだろうか…なんて泣き言はとりあえず言わなかった。


     モノガレージでのクリスマス、料亭空間にはいろいろな料理が並べられ…宴もたけなわ、そんなとき。
     ステージ脇、舞台袖の影でこそこそ気配を殺すノルチルの姿。
     ガレージメンバ―が料理や会話に気を取られた隙に、こっそり恋人の隣を離れ…られなかったので。
     先にルチルが料理の追加だと離れて。少ししてからノルもトイレにと離れて。
     大急ぎで着替えてきた次第。ステージライトの設定と、二人分の演奏では足りなかった音源もセット完了。
     互いに衣装の最終チェック…着崩れ無し、小物もOK!
    (行くよルチル、出番だ!)
    (準備万端、行きます!)
     ニヤリと目配せを交わす、その顔は二人とも既に「決め顔」の状態。
     入場用のBGMが流れ出して、観客たちがなんだなんだとステージに注目する中、二人はステージへと駆けあがった。
     

     二人はバンド初心者である。いくらケルベロスであっても。
     何曲も用意した中の大半は、誰でも一度は耳にしたことのあるようなJポップ。けれどカバーではなくて、二人で作った歌詞を乗せて替え歌に。
     演奏も、和バンドだからと少しだけ、アレンジという名の初心者向けにシフトチェンジ。
     でもそれだけではつまらない!
     ならオリジナルもやるしかない!
     けれど初心者!
     そんな二人が合間に差し込むのは新境地「のろけ詩吟」である。
     ラブソング調の前奏で煽りつつ、突如詩吟風に愛を叫ぶのである。
     この時ばかりは決め顔は消えていつもの、どちらも素に近い表情で頬を染める。
     お互いにお互いをからかってやろうと煽りあった結果がこれである。
     多分この二人じゃないとやらない。
     というより、この二人だからこそ止まらず実行に移ったと言うべきか。
     誰もブレーキ役がいなかったのである…ここまで突っ走ってきてしまった。
     なお、このほかにも互いをからかいあうコメディポップな沼ソングもそれなりの数挟まれていたことを記しておく…けれど、詳細は触れないでおこう。
     

    ♪〜曲目リストより一部抜粋〜♪
    「悪友の納品待ちは品数よりも単価がヤバい」
    「旦那の流し目が赤面案件直視できない」
    「悪友の性別欄に誰もたどり着けない」
    「嫁の照れアイコンがはんぱなくかわいい」
    「悪友のアトリエ納品枚数が同じだった」
     

     用意したすべての曲を終えた二人が揃ってステージを降りる。
     トンッ
     ダーッシュ!
    「「どーだった!?」」
     ノルは緋音の元へ。
     ルチルは織の元へ。
     それまでに決めていた色々を全てほっぽりだして、恋人の前に飛び出していく。
    「緋音ーっ!ぎゅーしよっぎゅー!」
    「こ、こらーっこんなところで…っ」
     さっきまでこっぱずかしい歌やらなにやら聞かされた緋音は恥ずかしさで顔が真っ赤である。そんな顔も可愛くて、ノルは顔を隠そうとする手を優しく外しながらもしっかりと自分の腕の中に収める。
    「織っただいまー!」
    「おうおかえりルチル!袖で何してるのかと思ったらこれだったんだね!」
     嫁の動向をしっかり把握している忍者は満面の笑顔。しっかりルチルを腕の中に入れているが自然過ぎてルチル、人前だという事に気付いていない。尻尾はただ嬉しそうに揺れていた。

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      TW5のルチル(e03643)とキリクライシャ(e20513)のPL『そると』が書いたものを置いたりするブログです。 追記をはじめ、各所に背後霊(プレイヤー)視点が多分に含まれます。 株式会社トミーウォーカーが展開するPBW「ケルベロスブレイド」に関係の無い方、 PBWをご存知ない方、プレイヤー視点を苦手とする方は、回れ右をお勧めいたします。

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      トミーウォーカーのアトリエ作品とは別に、イラストやSSを掲載することがあります。都合上、旅団関係者の方々をお借りすることもあります。事前に該当者様にお問い合わせさせていただきますが、大半はルチルやキリクライシャに関することとなります。何かしらの不都合が生じる、もしくはその可能性がある場合は、お手紙などでご一報ください。また、著作権はそるとにありますが、お借りした関係者様に限りお持ち帰り、ブログへの転載等、私用の範囲内であればご自由にどうぞ。

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