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    『星の導き』 

    • 2016.02.01 Monday
    • 00:14
    〜星の十二時ヶ丘〜
    キリクライシャと、ご一緒させていただいたお二人のプレイングを元にしています。



     ヒールを終えた夜の十二時ヶ丘公園。幻想を含んだ夜景はきっと星をより美しく演出してくれるはず。
    (そんな場所で浮かぶ新曲もきっと綺麗な歌になるに違いないわ)
     丘から見下ろせる景色をぐるりと。前奏になるように音符が五線譜を踊り出す。
     忘れないうちにとスマホを取り出して、鞠緒は録音ボタンをタップした。

    「〜〜〜♪」
     まだ輝きはじめたばかりの星灯りの下、サラフディーンの耳が捉えたのは微かな旋律。
     聞き馴染んではいない音だけれど、耳に心地よさが残る。女性だとはわかるけれど。
    (歌姫の顔を見てみるのも一興か…)
     恋人も伴わず訪れた場所だ。知人の顔も探していた筈が大勢の中見つかりそうになくて。ならば気になる方へと歩き出す。

     空を仰げば星の光が増していく。あの星々は何の力が導けるだろう、どんな由縁がある星だったかと、記憶にある早見表をくるくる回す。
    (…新しい魔法の参考に)
     このためにヒールの仕事を請けたのだ。
     キリクライシャの意識が星空の中を飛ぶように溶け…かけたところで、耳に旋律が届いた。音だけではなくて、メロディに言葉が乗ったから。

     思い付きの歌詞の欠片も乗せてみる。きっと後でそれも歌の魅力を引き立てるはず。
     星の輝きをもっと取り入れようと、鞠緒は星空をより大きく視界に映そうと顔をあげた。勿論歌いながら、声量はそのままで。
     つるっ
    「…ぁっ」
     カシャン

    (すぐ傍まで来たと思ったが)
     歌声が聞こえなくなったことに首を傾げるサラフディーンの耳が、今度は落下音を捉えた。
     見下ろす先に在るのはスマホだ。自然にそれを拾い上げる。すぐに足元を探している様子の女性を見つけた。
    (星灯りだけで探すのは難しかろう)
    「お前のか?ほら、落とし物」
    「ありがとうございま…」
     良かった、見つかった。親切な人がいてくれてよかった。鞠緒はそう思って顔を上げる。録音したデータは無事だろうか、そもそも大事なスマホが見つかってよかっ…
     極上の笑顔を浮かべる、異国風の蒼い衣装の、イケメンと目があった。
    (…ぁ)
     お礼の言葉は最後まで言えず。
    「お、おいっ!」
     元気な声の主だと微笑ましく思っていたサラフディーンは、よろけた鞠緒の体を咄嗟に支えた。
    (倒れるってどういうことだ…)

    (…歌姫さん、と…初対面、よね)
     すぐ近くでやり取りを見守ってしまったが、鞠緒の倒れた理由がわからない。けれどこのまま見送ってはいけない気がして、キリクライシャはサラフディーンの服の裾を咄嗟に引いた。
    「…突然ですまないけれど、そこの貴方」
     低い位置からの声に、何とか首を回して視線を合わせるサラフディーン。鞠緒を抱き上げている分視界が狭い。
    「近くで、応急処置が出来る場所はないか」
     困っていたところだと僅かに眉尻を下げる。
    「…なるほどね。いくら介抱でも、初対面の貴方だけじゃ…彼女、落ち着かないかもしれないし」
     案内ついでに私も付き添うと提案するキリクライシャ。こちらも見上げている間、首が少々痛い。
    「…足元、気を付けて」
    「よろしく頼む」

     人混みから少し離れたベンチで、サラフディーンの介抱を受けた鞠緒が目を覚ます。
    「………?」
    「…大丈夫かしら」
     今度もまた初めて見る顔だ。でも男性ではない。キリクライシャの手を借り起き上がり、サラフディーンの顔も再び認識する。
    (二度目だから、大丈夫)
     笑顔ではないおかげか、心配そうな表情のおかげか。今度は気絶をせずに済んだ。
    「…倒れたのは覚えている?」
     キリクライシャのその一言で、何が起きたか理解する鞠緒。
    「申し訳ありません!私ったら」
     落とし物を拾ってもらっただけではなくて、気絶の世話もしてもらったという事実に恐縮の思いに包まれる。
    「頭が痛いとか、不調はないか?…ならいい」
     首を振る鞠緒に安心した声音のサラフディーン。
    「…私は付き添っていただけ」
    「いえ、助かりました…あっ!わたしは遠之城 鞠緒と言います」
     お二人は?鞠緒の疑問に二人も返す。
    「俺はサラフディーン。サラフと呼んでくれ」
    「…キリクライシャ・セサンゴート。好きに短くして呼んで。…星はまだ、見られる?」
    「だいじょうぶです。あの、今からでもご一緒できますか?」
     お詫びに、暖かい飲み物でもいかがですか?と誘う鞠緒。時はそうたっていない。星空を楽しみにしていた二人も勿論と頷いた。

     星空の下に、鞠緒の旋律の続きが小さく、優しく響く。未完成の歌ではあるけれど、二人と二匹の観客が耳を傾けていた。
    「そういえば、俺はサーヴァントカフェの店長をやっている」
     帰り際、今度バレンタインフェアをやるのだと誘うサラフディーン。その視線はヴェクサシオンとバーミリオンに向いていた。
    「ペットショップも兼ねているなんて素敵ですね」
    「…リオンも一緒に、今度寄らせてもらうわね」
     偶然の出会いをこの場所だけで終わりにしたくなかったのは、鞠緒もキリクライシャも同じ。
     再会の約束をして、三人はそれぞれの帰路に、分かれて行った。

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